手取りと年収のリアルを一緒に学ぶ【第8回】
✅ はじめに|毎月“天引き”されるけど…どこに行ってるの?
給料日、給与明細を見て「けっこう引かれてるな…」と感じたことありませんか?
社会保険料や税金など、手取りに届く前に天引きされているお金たち。
でもそれ、何のために?どこに?どう使われてる?
実は「社会保険」と「税金」は役割も、行き先も、考え方もまったく違うんです。
今回はこの2つの“控除”について、一緒にしっかり学んでいきましょう!
📌 控除されるお金の種類|主な内訳をおさらい
給与明細でよく見る控除欄には、主に以下のものが並びます:
| 項目名 | 種別 | 内容 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 社会保険料 | 医療費負担・出産育児・傷病手当など |
| 厚生年金保険料 | 社会保険料 | 老後の年金、障害年金、遺族年金など |
| 雇用保険料 | 社会保険料 | 失業時の給付、再就職支援など |
| 介護保険料(40歳以上) | 社会保険料 | 要介護サービス費用の一部 |
| 所得税 | 税金 | 国の財源(年末調整あり) |
| 住民税 | 税金 | 地方自治体の財源(翌年課税) |
🧠 社会保険と税金の違いとは?
それぞれの目的と性質の違いを見てみましょう。
| 観点 | 社会保険 | 税金 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 加入者の生活保障(病気・介護・老後など) | 国や自治体の公共サービス維持 |
| 払い方 | 原則「保険料」=労使折半 | 「税率」に基づいて課税(本人全額負担) |
| 受け取れるか? | 条件を満たせば受給可能(年金・失業保険など) | 一般的に“もらう”ことはない |
| 対象 | 基本的に就労者(会社員・公務員など) | 所得のあるすべての人 |
| 控除方法 | 毎月の給与から天引き | 同様に天引き+年末調整等 |
📊 どこに使われてる?|行き先を見える化してみた
💡 社会保険料の使い道
- 健康保険 → 病院・薬代の自己負担軽減(3割負担など)
- 厚生年金 → 将来の年金、遺族年金、障害年金
- 雇用保険 → 失業給付・育児休業給付・教育訓練支援金
- 介護保険 → 在宅・施設介護サービスの費用に充当
💡 税金の使い道
- 所得税 → 国の予算全般(防衛・教育・インフラ・子育て支援など)
- 住民税 → 地方自治体の運営(ごみ収集、福祉、消防、防災など)
🧮 モデルケースで比較してみる(年収600万円・共働き・子2人)
| 区分 | 金額(概算) |
|---|---|
| 年収(額面) | 600万円 |
| 健康保険・厚生年金・雇用保険 | 約90万円(15%) |
| 所得税+住民税 | 約45万円(7.5%) |
| 合計控除額 | 約135万円 |
| 手取り(概算) | 約465万円 |
👆このように、実は社会保険料の方が多く引かれているんですね。
🤔 よくある疑問や誤解
- 「社会保険料って高すぎじゃない?」
→ 確かに高いですが、病気や失業、老後の支えとなる「給付ありの制度」です。 - 「税金は無駄じゃないの?」
→ 教育・福祉・防災など、見えづらいけど暮らしに直結する使い道がたくさん。 - 「控除=全部税金」ではない
→ 社会保険料は“保険”。将来の自分や家族のために備えるもの。
💡 家計や制度の見直しに活かすには?
- 保険料がかかる=「給付の権利」を持っているということ
- 税金対策(節税)と、社会保険料対策(報酬の見直し)は別物
- 転職時など「年収だけ」でなく「控除後の手取り」で比較するクセを
✅ まとめ|「控除されるお金」に目を向けよう
給与明細の“控除欄”、これまでぼんやり見ていた方も多いかもしれません。
でも実は、**自分の人生に密接に関わる制度への「参加料」**でもあるんです。
「何に使われているか」を知るだけで、不安が軽くなったり、納得感が生まれたりします。
この記事がそのきっかけになればうれしいです!
⚠️ 免責事項
本記事は一般的な制度内容・試算をもとにしたものであり、特定の税務・社会保険判断を提供するものではありません。
実際の控除額や適用内容は、勤務先・自治体・年収条件等により異なりますので、詳細は税理士や社会保険労務士、または自治体窓口にご確認ください。


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