インフラエンジニアがKindleをおすすめする理由|技術書とUnlimitedの使い分け

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インフラエンジニアには、継続的な情報収集と学習が欠かせません。

ネットワーク、サーバー、クラウド、セキュリティなど、扱う技術は変わり続けます。また、私たちが扱う商品はインフラ技術ですが、その先には必ずお客様がいます。

技術だけを知っていればよいわけではありません。お客様の業務を理解し、課題に合った仕組みを考えるためにも、新しい知識を収集し続ける必要があります。

私は、技術書を読む環境としてKindleを活用しています。単に本を持ち運びやすいからではなく、国内外の技術書を集め、必要なときに検索して参照できる、自分専用の技術ライブラリになるからです。

一方、すべての技術書を購入しているわけではありません。良質な本は購入して手元に残し、未知の分野を広く調べるときにはKindle Unlimitedを使っています。

この記事では、インフラエンジニア歴26年の私が、KindleとKindle Unlimitedを技術学習にどう使い分けているかを紹介します。

この記事の結論

私の使い分けはシンプルです。

目的選ぶ方法
長く参照したい良質な技術書Kindle版を購入する
未知の技術や周辺分野を広く調べるKindle Unlimitedで探す
大きな構成図を見比べる紙の本や大画面で読む
問題集へ直接書き込みながら資格を勉強する紙の本を使う
実務中に用語や設定を確認するKindle内を検索する
日本語版がない新しい技術を調べる英語原書を探す

Kindle Unlimitedは、良書を買わずに済ませるためのサービスではありません。学ぶ範囲を広げ、購入して手元に残したい本を見つけるための入口として使っています。

良質な技術書には、きちんと対価を払いたい

私は、良質な技術書には著者への敬意と、その知識を受け取る対価として、お金を払うのが当然だと考えています。

一冊の技術書には、著者が実務や検証を通じて積み重ねてきた経験が整理されています。自分だけで同じ失敗や検証を繰り返すことを考えれば、数千円で体系的な知識を得られる技術書は、費用対効果の高い投資です。

特に、実務で何度も参照する本や、自分の考え方に影響を与えた本は、購入して手元に残したいと思っています。

私がその代表だと感じているのが、みやたひろしさんのネットワーク関連書籍です。技術の仕組みだけでなく、設計、構築、試験、障害調査まで、現場で必要になる考え方が体系的にまとめられています。

ネットワークエンジニアにおすすめの本7冊|実務歴26年が選ぶみやたひろし著の技術書

同じ道を歩むインフラエンジニアにも、自信を持っておすすめしたい技術書です。

Kindleを技術書のライブラリとして使う理由

Kindleの価値は、紙の本を電子化したことだけではありません。技術書をまとめて保管し、複数の環境から検索・参照できる点にあります。

必要な用語を検索できる

技術書は、小説のように一度最初から最後まで読んで終わるとは限りません。

実務で分からない用語が出てきたとき、設計の考え方を確認したいとき、過去に読んだ説明へ戻りたいときがあります。Kindleなら書籍内を検索し、必要な箇所を探せます。

私は、最初に一通り読んだあとは、実務で必要になったときに辞書のように参照しています。

複数の端末から参照できる

購入したKindle本は、PCのブラウザやアプリ、Androidタブレットなどから参照できます。

自宅ではPC、移動中はタブレットというように、状況に合わせて端末を変えられます。紙の書籍を持ち込めない、あるいは持ち物に制限がある場所でも、利用が認められた端末から確認できる場合があります。

ただし、業務端末や作業場所で利用するときは、勤務先や現場のセキュリティルールに従う必要があります。

修正版へ更新できる場合がある

電子書籍には、購入後に出版社や著者から修正版が配信された場合、更新された内容を受け取れる可能性があります。

技術書では、誤記やコードの修正、説明の補足などが必要になることがあります。紙の本は正誤表を見ながら自分で読み替える必要がありますが、Kindle版では、同じ商品に対するコンテンツ更新として提供されれば、修正後のデータへ更新できる場合があります。

ただし、すべての修正が購入者へ配信されるとは限りません。出版社や著者が更新版を提供し、Amazon側で購入済みコンテンツの更新対象になった場合に限られます。また、内容を大幅に改訂した新版は別商品として販売され、あらためて購入が必要になることもあります。

更新によって、ハイライト、メモ、ページ位置などへ影響が出る可能性もあります。更新可能と表示された場合は、変更内容や注意事項を確認したうえで適用するのが安全です。

何冊もの技術書を持ち歩かなくてよい

インフラ技術は対象範囲が広く、一冊ですべてをカバーできません。ネットワーク、Linux、クラウド、セキュリティなど、複数の本を参照することがあります。

Kindleなら、何冊もの重い技術書を持ち運ばなくても、必要な資料へアクセスできます。

O’Reillyの技術書と英語原書を探せる

Kindleでは、技術者になじみの深いO’Reillyの書籍を数多く扱っています。日本語に翻訳された本だけでなく、英語版の原書も探せます。

技術の変化が速い分野では、日本語版が発売されるまでに時間がかかる場合があります。日本語版を待たずに原書を読んだり、翻訳版で意味を取りにくかった用語を英語版で確認したりできるのは利点です。

英語原書を最初から最後まで読まなくても、コード、構成例、特定の章だけを参照する使い方ができます。海外発の技術を一次情報に近い形で学ぶ選択肢を持てることに価値があります。

最新技術やニッチな分野の個人出版も見つかる

技術の変化が速い分野では、商業出版の企画から発売までを待っている間に情報が古くなることがあります。また、利用者の少ない製品やニッチな技術は、出版社から書籍化されにくいのが実情です。

Kindleには、現役エンジニアなどの個人著者が、自分の経験や検証結果をまとめた技術書もあります。商業出版では扱いにくい新しい技術や、狭い分野の実践的な情報を見つけられることがあります。

ただし、個人出版の内容や品質には幅があります。著者の経歴、目次、サンプル、出版時期などを確認し、内容の正確性や自分の目的との相性を判断する必要があります。

技術情報は玉石混交

インターネット上には、無料で読める技術情報が大量にあります。公式ドキュメント、ベンダーのナレッジ、個人ブログ、動画、SNSなど、情報源もさまざまです。

役立つ情報がある一方で、前提条件が書かれていない情報、古くなった設定例、検証されていない手順もあります。

ネット上の断片情報と、編集された技術書の違い

出版社から出ている技術書には、著者だけでなく編集者も関わっています。

個別の知識を並べるだけでなく、読者が基礎から順番に理解できるように章立てを考え、用語や表現を統一し、情報を一冊の中で体系化しています。内容についても、編集の過程で事実関係や説明の整合性が確認されるため、一定水準の信頼性を期待できます。

もちろん、出版された技術書だから必ず正しいとは限りません。技術は変化するため、刊行時点では正しかった内容が古くなることもあります。正誤表や改訂版の有無、対象となる製品バージョンなどの確認は必要です。

それでも、前提条件や背景を含めて体系的に学びたい場合、著者と編集者の手を経てまとめられた書籍には、ネット上の断片的な情報とは異なる価値があります。

無料だから得とは限りません。情報を探し、比較し、正しいかを検証するためにも時間がかかります。技術者にとって、情報収集に使う時間もコストです。

だからこそ、体系的に整理された良質な技術書にはお金を払い、まだ必要性が分からない分野の探索には定額サービスを使う、という分け方をしています。

Kindle Unlimitedは情報探索に使う

新しい分野を調べるたびに、関連する技術書をすべて購入するのは現実的ではありません。

情報収集にかけるコストと、そこから得られる知識や利益のバランスを考えると、Kindle Unlimitedは技術者にとってちょうどよいサービスだと感じています。

ただし、Kindle Unlimitedの対象には、出版社による商業出版だけでなく、個人が執筆・編集した技術書も含まれます。個人出版だから内容が劣るわけではなく、現役エンジニアの新しい知見や、商業出版では扱われにくい分野に出会える利点があります。一方で、編集者による確認や第三者のレビューがどこまで行われているかは本によって異なります。

Unlimitedで技術書を選ぶときは、読み放題であることだけを理由にせず、著者の経歴、目次、サンプル、参考情報、刊行・更新時期を確認します。複数の本や公式ドキュメントと照らし合わせ、実務へ使う情報は自分でも検証する姿勢が必要です。

私の使い方

  1. 気になる技術の対象書籍を複数冊探す
  2. 目次と概要を確認する
  3. 必要な章を読み、分野全体のイメージをつかむ
  4. 深く学ぶ必要があるかを判断する
  5. 長く参照したい良書は、あらためて購入する

読み放題だから何冊読んだかではなく、次に学ぶべき技術を見つけられたか、実務に必要な知識を得られたかが重要です。

対象書籍は変わる

Kindle Unlimitedの対象作品は随時入れ替わります。以前は読めた本が対象外になったり、気になる本が新たに追加されたりします。

対象作品を読み放題で利用することと、購入後も自分のKindleライブラリから継続的に利用することは同じではありません。実務で繰り返し参照したい本は、読み放題の対象であっても購入を検討します。

無料体験の対象者や期間などの条件は、Amazonの申込画面で確認してください。

情報収集の範囲を広げたい方は、現在対象になっている技術書を確認してみてください。

紙の技術書が向いている場合もある

すべての技術書をKindleで読むのが最適とは限りません。

大きなネットワーク構成図を見比べる本、複数のページを頻繁に行き来する本、余白へ手書きで注釈を加えたい本は、紙のほうが使いやすい場合があります。

資格の参考書・問題集は紙を選ぶことがある

私が積極的に紙で買うことがあるのは、資格試験の参考書や問題集です。

問題を解きながら答えや補足を直接書き込みたい場合、電子書籍へメモを残すより、紙とペンを使ったほうが手っ取り早いことがあります。正解・不正解の印を付ける、重要な箇所へ線を引く、自分が間違えた理由を書き込むといった使い方にも紙が向いています。

また、資格関連の参考書や問題集は厚く、重くなりがちです。私は著者の方には申し訳ないと思いつつも、問題集を単元ごとに切り分け、その日に勉強する部分だけを持ち歩くことがあります。

本をきれいな状態で保存することよりも、毎日持ち歩いて実際に問題を解き、資格学習を続けられることを優先した使い方です。検索と参照を重視する通常の技術書はKindle、書き込みながら繰り返し問題を解く資格本は紙という使い分けが、自分には合っています。

技術書は中古売却のメリットが小さくなりやすい

紙の本には、不要になったときに中古で売れるという利点もあります。ただし、技術書では、この利点をそれほど大きく見込めないと考えています。

技術は変化が速く、製品、OS、ソフトウェア、クラウドサービスのバージョンが変わると、掲載されている手順や画面が古くなります。内容が陳腐化すると中古市場での需要も下がるため、購入価格に対して十分な金額で売却できるとは限りません。

TCP/IPの基本原理や設計思想など、長く使える内容を扱った本には価値が残ります。それでも、売却できることを前提に紙の技術書を選ぶより、必要なときに持ち歩けること、複数の端末から参照できること、用語を検索できることのほうが、私にとっては大きなメリットです。

紙だから残せる学びもある

私の手元には、同じ『サーバ負荷分散入門』が2冊あります。一冊は私が学ぶために使った本。もう一冊は、一緒にBIG-IPの構築を担当した後輩へ餞別として贈り、その後、本人の注釈や案件で得た気づきがびっしり書かれた状態で返された本です。

「次の後輩に渡してほしい」と託されたその本は、紙だからこそ残せた現場独自の教科書でもあります。

検索性と携帯性はKindle、一覧性や手書きの記録は紙というように、本の内容と目的に合わせて使い分けるのが現実的です。

まとめ|Kindleで広く探し、価値ある技術書は購入する

インフラエンジニアには、継続的な情報収集と学習が必要です。しかし、世の中にある技術情報をすべて読み、すべての本を購入することはできません。

私は次のように使い分けています。

  • 良質で長く参照したい技術書は、対価を払って購入する
  • 未知の技術や周辺分野は、Kindle Unlimitedで広く調べる
  • Unlimitedで見つけた良書は、必要に応じて購入する
  • 検索性や携帯性を重視するならKindleを選ぶ
  • 大きな図、資格学習の書き込み、手書きの記録を重視するなら紙を選ぶ

Kindle Unlimitedは、技術書を買わなくて済ませるためのサービスではありません。自分の専門領域を広げ、次に学ぶべき技術や、購入して手元に残したい本を見つけるための情報探索手段です。

学習にかけるコストと得られる価値のバランスを取りながら、自分に合った技術書との付き合い方を作っていきましょう。

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