ニュースを見ていると、
「円安が進みました」
「ドル高になっています」
といった言葉をよく耳にします。
でも、
「1ドル150円から160円になると、なぜ『円安』なの?」
「数字が大きくなっているのに、円の価値が下がるってどういうこと?」
と疑問に思ったことはないでしょうか。
私も投資を始めたころは、この感覚がなかなかつかめませんでした。
結論からいうと、
1ドル150円 → 160円 = 円安・ドル高
1ドル150円 → 140円 = 円高・ドル安
です。
ポイントは、1ドルを買うために何円必要なのかで考えることです。
この記事では、円安・ドル高の意味から、なぜ円安が起こるのか、物価や家計にはどんな影響があるのか、そしてNISAでオルカンやS&P500を積み立てている人にはどう関係するのかまで、初心者向けに分かりやすく解説します。
結論|1ドル150円→160円なら「円安・ドル高」
まずは、一番分かりにくいところから整理します。
たとえば、
1ドル=150円
だった為替レートが、
1ドル=160円
になったとします。
1ドルを手に入れるために必要なお金が、150円から160円に増えました。
つまり、同じ1ドルを買うためにより多くの円が必要になったということです。
これは、ドルに対して円の価値が下がった状態です。
そのため、
円安・ドル高
と呼びます。
反対に、
1ドル=150円 → 140円
になれば、1ドルを買うために必要な円が少なくなります。
こちらは円の価値が上がったので、
円高・ドル安
です。
円安・円高の覚え方
「150円から160円に数字が上がったのに、どうして円『安』なの?」
ここで混乱する方も多いと思います。
私も最初はそうでした。
そんなときは、1ドルを商品だと思ってみると分かりやすくなります。
1ドルの商品を買うのに、
150円必要だった
↓
160円必要になった
ということは、円の購買力が弱くなっています。
逆に、
150円必要だった
↓
140円で買えるようになった
のであれば、円の力が強くなったと考えられます。
つまり、
1ドルを買うのに必要な円が増える → 円安
1ドルを買うのに必要な円が減る → 円高
と覚えると分かりやすいです。
円安・ドル高はなぜ起こる?
では、なぜ円安やドル高になるのでしょうか。
為替相場は、さまざまな要因によって動きます。
代表的なものとして、
- 日本と海外の金利差
- 各国の金融政策
- 景気
- 物価
- 貿易
- 投資家の資金移動
- 世界情勢
などがあります。
その中でも、ニュースでよく取り上げられるのが金利差です。
日本とアメリカの金利差と為替の関係
円安・ドル高のニュースでは、
「日米金利差」
という言葉をよく聞きます。
簡単に考えると、お金はより高い金利が期待できる通貨へ動きやすい傾向があります。
たとえば、日本よりアメリカの金利が高い状況では、
円を売る
↓
ドルを買う
↓
ドルで運用する
という動きが増えることがあります。
円を売ってドルを買う人が増えれば、円安・ドル高の方向へ動く要因になります。
ただし、
「金利差だけで為替が決まる」
わけではありません。
為替は景気、物価、金融政策への予想、政治情勢など、多くの要因で動きます。
そのため、
「アメリカの金利が下がれば必ず円高になる」
というように単純には予測できません。
円安になるとなぜ物価が上がる?
円安になると、私たちの生活にも影響が出ます。
特に分かりやすいのが輸入品です。
日本は、
- 原油
- 天然ガス
- 小麦
- 大豆
- 飼料
- 海外製品
など、さまざまなものを海外から輸入しています。
たとえば海外から100ドルの商品を購入するとします。
1ドル100円なら、
100ドル × 100円 = 1万円
です。
ところが1ドル150円なら、
100ドル × 150円 = 1万5,000円
になります。
海外での価格が同じ100ドルでも、円安になるだけで日本円で支払う金額は増えます。
企業が輸入する原材料やエネルギーのコストが上がれば、その一部が商品価格へ転嫁されることがあります。
その結果、
円安
↓
輸入コスト上昇
↓
企業のコスト上昇
↓
食品や商品の値上げ
という形で、私たちの生活にも影響する可能性があります。
円安にはメリットもデメリットもある
円安というと、
「物価が上がるから悪いこと」
という印象を持つかもしれません。
しかし、円安にはメリットとデメリットの両方があります。
円安の主なデメリット
家計にとって分かりやすいのは、
- 輸入品が高くなりやすい
- ガソリンやエネルギー価格に影響する
- 食料品の価格に影響する
- 海外旅行の費用が高くなりやすい
といった点です。
円安の主なメリット
一方で、
- 海外で稼いだ利益の円換算額が増える場合がある
- 輸出企業にプラスになる場合がある
- 外貨建て資産の円換算額が増える場合がある
- 訪日外国人にとって日本での買い物が割安になる
といった面もあります。
つまり、
円安=悪い
円高=良い
と単純に考えることはできません。
自分がどの立場にいるかによって、影響は変わります。
円安は家計にどう影響する?
私たちの家計で感じやすいのは、やはり物価への影響です。
たとえば、
食品
小麦や大豆、飼料など輸入に依存する原材料の価格が上がれば、パンや麺類、食肉などの価格へ影響する可能性があります。
ガソリン・電気・ガス
日本はエネルギー資源の多くを輸入しています。
そのため円安は、エネルギー価格を押し上げる要因になることがあります。
海外製品
海外メーカーのスマートフォン、パソコン、家電なども円安の影響を受けることがあります。
海外旅行
同じ100ドルを使う場合でも、1ドル100円なら1万円ですが、150円なら1万5,000円です。
円安になるほど、海外で同じ金額を使うために必要な日本円が増えます。
40代・子育て家庭として考えると、食品や光熱費など毎月発生する支出への影響は気になるところです。
為替は投資家だけの話ではなく、普段の家計にもつながっています。
円安になるとオルカン・S&P500はどうなる?
ここからは投資の話です。
NISAで、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
いわゆる「オルカン」や、
S&P500に連動する投資信託
を積み立てている方も多いと思います。
私も海外資産へ投資しているので、為替の動きは無関係ではありません。
海外資産を円で評価する場合、一般的には円安が円換算の評価額を押し上げる方向に働きます。
簡単な例で考えてみます。
100ドルの資産を持っている場合、
1ドル100円なら、
100ドル × 100円 = 1万円
です。
1ドル150円になれば、
100ドル × 150円 = 1万5,000円
になります。
資産のドル価格が変わらなくても、為替だけで円換算額が変わります。
ただし、実際の投資信託の価格は、
株価の変動+為替の変動
など複数の要因によって動きます。
そのため、
円安になれば必ずオルカンやS&P500が上がる
という意味ではありません。
円安のときはオルカンやS&P500を買わない方がいい?
ここは私自身も気になるところです。
円安が進むと、
「今、海外資産を買ったら高値づかみになるのでは?」
「円高になるまで待った方がいいのでは?」
と思ってしまいます。
ただ、為替がこれから円高になるのか、さらに円安になるのかを正確に予測することは簡単ではありません。
株価についても同じです。
そのため私は、長期の資産形成では、
為替を予想して積立を止めたり再開したりするより、決めた金額を継続する
という考え方を基本にしています。
毎月一定額を投資することで、価格が高いときも安いときも購入することになります。
為替のタイミングを完璧に当てることを目指すのではなく、長期間コツコツ積み立てる方を重視しています。
円安のときNISAの積立を止めるべき?
私の場合、円安だけを理由にNISAの積立を止めることは基本的に考えていません。
NISAは長期的な資産形成に利用しています。
為替は短期間でも大きく動くことがあります。
円安になったから積立を止めて、
「円高になったら再開しよう」
と思っても、いつ円高になるのかは分かりません。
むしろ、
生活防衛資金を確保する
↓
無理のない積立額を決める
↓
相場や為替に一喜一憂せず継続する
という方法を私は大切にしています。
もちろん、家計が苦しくなっている場合は別です。
物価上昇などで毎月の生活費が増えているなら、NISAを無理に続けるのではなく、積立額を見直すことも必要です。
投資より生活が優先です。
円高になったらどうなる?
円高は円安の反対です。
たとえば、
1ドル150円 → 130円
になれば、円高・ドル安です。
円高になると、一般的には海外の商品を円で安く買いやすくなります。
輸入企業にとっては原材料などの円換算コストが下がる要因になる場合があります。
海外旅行でも、同じドルを購入するために必要な円が少なくなります。
一方で、海外資産を保有している場合は、円換算した評価額を押し下げる方向に働くことがあります。
つまり円高にも、メリットとデメリットがあります。
円安のときドル建て商品はどうする?
円安の仕組みが分かると、次に気になるのが、
「それなら円安のときにドル建て商品を買っていいの?」
という問題です。
これは「円安とは何か」とは少し別のテーマになります。
篝火ログでは、
「円安のときどうする?ドル建て商品の考え方|今買うべき?待つべき?」
という記事でも詳しく紹介しています。
円安・円高を予想して一括投資するのか、為替にかかわらず積み立てるのか。
自分の投資期間やリスク許容度も含めて考えることが重要です。
よくある質問
1ドル150円から160円になるとなぜ円安?
1ドルを買うために必要な日本円が150円から160円へ増えたからです。
ドルに対する円の価値が下がっているため、「円安・ドル高」と呼びます。
円安とドル高は同じ意味?
円とドルの関係だけを見れば、基本的には表裏の関係です。
円がドルに対して安くなれば、反対側から見ればドルが円に対して高くなります。
そのため「円安・ドル高」と表現されます。
円安になると物価は必ず上がる?
必ずすべての商品が値上がりするわけではありません。
ただし、輸入する原材料やエネルギーなどの円換算コストが上昇するため、物価を押し上げる要因のひとつになります。
円安になるとS&P500は上がる?
必ず上がるわけではありません。
日本から海外資産を円換算して評価する場合、円安は評価額を押し上げる方向に働きます。
しかし、S&P500自体の株価が下落すれば、為替の影響だけでは決まりません。
円安ならNISAの積立を止めた方がいい?
私は円安だけを理由に積立を止めていません。
長期投資では将来の為替を正確に予測することが難しいため、家計に無理のない金額を継続することを重視しています。
ただし、物価上昇などによって生活が苦しくなっている場合は、投資額を見直すことも重要です。
まとめ|円安・ドル高を理解するとニュースと投資が分かりやすくなる
最後に整理します。
1ドル150円 → 160円
なら、
円安・ドル高
です。
反対に、
1ドル150円 → 140円
なら、
円高・ドル安
です。
覚え方は、
1ドルを買うのに必要な円が増える → 円安
1ドルを買うのに必要な円が減る → 円高
です。
円安になると輸入コストが上昇し、食品やエネルギーなどの価格を押し上げる要因になることがあります。
一方、輸出企業や海外資産にはプラスに働く場合もあります。
そしてNISAでオルカンやS&P500など海外資産へ投資している場合、為替の影響は無関係ではありません。
ただ、私は為替を正確に予測して投資することより、
生活防衛資金を確保する
↓
無理のない金額を決める
↓
長期間コツコツ積み立てる
ことを大切にしています。
円安・円高という言葉が分かるようになると、ニュースだけでなく、物価や家計、NISAの値動きも理解しやすくなります。
まずは、
「1ドルを買うために必要な円が増えたら円安」
と覚えるところから始めてみましょう。
免責事項
本記事の内容は、筆者の経験や調査に基づいた一般的な情報提供を目的としています。特定の金融商品・サービス・投資手法を推奨するものではありません。
投資には元本割れなどのリスクがあり、必ずしも利益を保証するものではありません。最終的な判断は、ご自身の責任にてお願いいたします。
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