株式投資を始めると、
「PER」
「PBR」
「ROE」
という言葉をよく見かけます。
私も個別株を調べ始めたころ、
「アルファベットばかりで分かりにくい……」
「結局、どの数字を見ればいいの?」
と思っていました。
でも、3つの役割を分けて考えると、それほど難しくありません。
簡単にいうと、
PER=利益から株価を見る
PBR=純資産から株価を見る
ROE=企業が自己資本を使ってどれだけ効率よく利益を出しているかを見る
ための指標です。
ただし、
PERが低い=買い
PBRが1倍未満=お買い得
ROEが高い=良い会社
と単純に判断するものではありません。
この記事では、PER・PBR・ROEの意味や違い、目安の考え方から、実際に企業を見るときに3つの指標をどう使えばいいのかまで、投資初心者向けに整理します。
結論|PER・PBR・ROEの違いを30秒で理解
最初に3つの違いを整理します。
| 指標 | 何を見る? | 簡単にいうと |
|---|---|---|
| PER | 株価と利益 | 利益に対して株価が高いか低いか |
| PBR | 株価と純資産 | 純資産に対して株価が高いか低いか |
| ROE | 利益と自己資本 | 自己資本を使って効率よく利益を出せているか |
私は最初、
PER・PBR=株価を見る指標
ROE=企業の稼ぐ力を見る指標
くらいに分けて覚えました。
これだけでも3つの違いがかなり分かりやすくなります。
PERとは?|利益から株価を見る
PERは、
Price Earnings Ratio
の略で、日本語では株価収益率と呼ばれます。
計算式は、
PER = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)
です。
たとえば、
株価:2,000円
1株当たり利益(EPS):200円
なら、
2,000円 ÷ 200円 = PER10倍
となります。
つまり、その企業が現在生み出している1株当たり利益に対して、株価が何倍まで買われているかを見る指標です。
PERは何倍なら割安?
ここが初心者には難しいところです。
一般的に、
PERが低い → 株価が利益に対して低く評価されている
PERが高い → 株価が利益に対して高く評価されている
と考えることができます。
しかし、
「PER○倍以下なら割安」
と一律に決めることはできません。
なぜなら、業種や企業の成長性によってPERの水準が大きく違うからです。
たとえば、高い成長が期待されている企業は、
「将来もっと利益が増えるだろう」
という期待から、現在の利益に対して株価が高くなり、PERも高くなることがあります。
逆にPERが低くても、
「今後、利益が減るのでは?」
と市場から評価されている可能性があります。
そのためPERを見るときは、
同じ業種の企業と比較する
その企業の過去のPERと比較する
今後の利益が伸びそうか確認する
といった見方が重要です。
「PER10倍なら10年で元が取れる」は正しい?
PERを説明するとき、
「PER10倍なら10年で元が取れる」
という表現を見かけることがあります。
私も最初は、この説明が分かりやすいと思っていました。
ただし、これはあくまでPERの感覚をつかむためのイメージです。
PER10倍だからといって、株を買えば10年後に投資したお金がそのまま戻ってくるわけではありません。
企業の利益は毎年変わります。
また、企業が得た利益をすべて株主へ配当するわけでもありません。
そのため、
「現在の1株当たり利益に対して、株価が何倍なのか」
を見る指標として理解する方が正確です。
PBRとは?|純資産から株価を見る
PBRは、
Price Book-value Ratio
の略で、日本語では株価純資産倍率と呼ばれます。
計算式は、
PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)
です。
たとえば、
株価:2,000円
1株当たり純資産:1,000円
なら、
2,000円 ÷ 1,000円 = PBR2倍
となります。
PERが「利益」に対して株価を見るのに対して、PBRは企業が持っている純資産に対して株価がどの程度なのかを見る指標です。
PBR1倍割れなら買い?
PBRでは、
1倍
がひとつの基準としてよく使われます。
PBR1倍なら、
株価と1株当たり純資産が同じ水準
ということになります。
そのため、
「PBR1倍未満なら、会社の純資産より株価が安い」
と説明されることがあります。
ただし、
PBR1倍未満=必ず割安
ではありません。
ここは重要です。
PBRが低い企業には、
- 利益を十分に出せていない
- 将来の成長が期待されていない
- 保有資産を有効活用できていない
- 業界そのものに不安がある
など、低く評価される理由がある場合もあります。
そのため、
「PBRが1倍を割っているから買う」
のではなく、
「なぜPBRが低いのか?」
まで確認することが大切です。
ROEとは?|企業の稼ぐ効率を見る
ROEは、
Return On Equity
の略で、日本語では自己資本利益率と呼ばれます。
計算式は、
ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
です。
たとえば、
自己資本:1,000億円
当期純利益:100億円
なら、
100億円 ÷ 1,000億円 × 100 = ROE10%
となります。
簡単にいうと、
株主から預かった資本などを使って、どれくらい効率よく利益を生み出したか
を見る指標です。
PERやPBRが株価との関係を見るのに対して、ROEは企業の収益性・資本効率を見る指標と考えると分かりやすいです。
ROEは何%なら高い?
ROEは一般的に、高いほど資本を効率よく使って利益を生み出していると考えられます。
しかし、
「ROE○%以上なら優良企業」
と一律に判断するのはおすすめしません。
業種によって必要な設備や資本の量が違うからです。
さらに注意したいのが、ROEは自己資本が小さくなると高くなりやすいことです。
たとえば借入金が多く、自己資本の割合が小さい企業では、ROEが高く見える場合があります。
そのためROEを見るときも、
同業他社との比較
過去からの推移
自己資本比率などの財務状況
と合わせて確認することが大切です。
PER・PBR・ROEを組み合わせて見る
ここまで3つを別々に見てきました。
実際に企業を調べるときは、ひとつの指標だけで判断しないことが重要です。
たとえば、
PERが低い
↓
利益に対して株価が低く見える
でも、
ROEも低い
↓
そもそも資本をうまく利益につなげられていない可能性がある
という企業もあります。
逆に、
PERは高め
でも、
ROEが高く、利益も継続的に成長している
のであれば、成長期待によって株価が高く評価されている可能性があります。
また、
PBR1倍未満
だからといって、必ずしも「お宝銘柄」というわけではありません。
低い評価にとどまっている理由を調べる必要があります。
つまり、
PER=株価と利益
PBR=株価と純資産
ROE=利益と自己資本
という違う角度から企業を見ることで、企業の状態を少し立体的に捉えられるようになります。
実際の企業を見るときのチェック手順
私が個別株を見るときも、PER・PBR・ROEだけで投資判断をすることはありません。
初心者なら、まず次のような順番で見ると分かりやすいと思います。
1.何をしている会社なのか確認する
最初に事業内容を確認します。
自分が理解できないビジネスに、数字だけを見て投資するのは避けたいところです。
2.売上・利益の推移を見る
PERが低くても、利益が毎年減っているのであれば注意が必要です。
反対に、利益が安定して伸びている企業なら、その背景を調べます。
3.PERを見る
利益に対して現在の株価がどの程度評価されているのか確認します。
同業他社や過去の水準と比較すると分かりやすくなります。
4.PBRを見る
純資産に対して株価がどの程度評価されているのか確認します。
1倍未満なら、
「安い!」
で終わらず、
「なぜ1倍を割っているのだろう?」
と考えます。
5.ROEを見る
企業が自己資本を使って効率よく利益を生み出せているか確認します。
こちらも同業他社や過去の推移と比較します。
6.配当・株主優待・財務状況も確認する
私は株主優待株も保有しているので、
- 配当利回り
- 配当性向
- 株主優待
- 自己資本比率
- 有利子負債
- キャッシュフロー
なども確認します。
PER・PBR・ROEは企業分析の入口であって、答えそのものではない
という考え方が大切です。
初心者が注意したい3つのこと
1.数字だけで「買い」と判断しない
PER5倍だから買い。
PBR0.7倍だから買い。
ROE20%だから買い。
このようにひとつの数字だけで投資判断するのは危険です。
なぜその数字になっているのかを確認する必要があります。
2.違う業種を単純比較しない
銀行とIT企業では、事業の仕組みも必要な資本も違います。
そのため、PERやPBRなどを比較するなら、まずは同業種・似たビジネスモデルの企業を見る方が参考になります。
3.現在の数字だけでなく推移を見る
私は「今PERが何倍か」だけでなく、
過去と比べてどうなのか
を見ることも重要だと考えています。
ROEも同じです。
1年だけ高いのか、何年も安定しているのかでは意味が違います。
PER・PBR・ROEはどこで確認できる?
証券会社の銘柄情報画面などで確認できます。
楽天証券を利用している場合も、個別銘柄の情報からPER・PBRなどの指標を確認できます。
ただし、表示されている数字だけを見るのではなく、企業の決算情報や業績推移も一緒に確認することが重要です。
私の場合も、指標を見て気になった企業があれば、そこから業績や財務状況などを調べるようにしています。
よくある質問
PERは低いほどいい?
必ずしもそうではありません。
PERが低い背景に、業績悪化や将来の利益減少への懸念がある場合もあります。
同業他社や過去のPER、業績見通しなどと合わせて確認します。
PERは何倍なら割安?
一律に「○倍以下なら割安」とは判断できません。
業種や企業の成長性によって適正と考えられる水準が違うためです。
PBR1倍未満なら買い?
PBR1倍未満というだけでは、買いとは判断できません。
収益性が低いなど、市場から低く評価されている理由がないか確認することが重要です。
ROEは高いほどいい?
一般的には高い方が資本効率がよいと考えられますが、高ければ必ず良い企業というわけではありません。
自己資本が小さいことでROEが高くなっている場合もあるため、財務状況と合わせて確認します。
PER・PBR・ROEで一番重要なのはどれ?
どれかひとつを選ぶというより、それぞれ役割が違います。
PER=利益と株価
PBR=純資産と株価
ROE=自己資本と利益
を見る指標です。
複数の指標を組み合わせて企業を見る方が、ひとつだけを見るより理解しやすくなります。
NISAでもPER・PBR・ROEは重要?
NISAの成長投資枠で個別株へ投資する場合にも、企業を調べる材料として利用できます。
ただし、NISAだから投資先のリスクが低くなるわけではありません。
個別株へ投資するときは、指標だけでなく業績や財務状況なども確認することが重要です。
まとめ|PER・PBR・ROEは「企業を見る3つの角度」
最後に整理します。
PER
→ 利益に対して株価が高いか低いかを見る
PBR
→ 純資産に対して株価が高いか低いかを見る
ROE
→ 自己資本を使ってどれだけ効率よく利益を生み出しているかを見る
という違いがあります。
私も投資を始めたころは、
「PER15倍なら安い?」
「PBR1倍以下なら買い?」
「ROE10%なら優良企業?」
と数字そのものに答えを求めていました。
しかし勉強していくと、重要なのは数字そのものより、
「なぜその数字になっているのか?」
を見ることだと分かってきました。
PER・PBR・ROEは、投資先を自動的に決めてくれるものではありません。
企業を調べるための入口です。
まず3つの違いを理解し、気になる企業があれば、業績・財務・配当・株主優待なども含めて少しずつ調べていきましょう。
免責事項
本記事の内容は、筆者の経験や調査に基づいた一般的な情報提供を目的としています。特定の金融商品・サービス・投資手法を推奨するものではありません。
投資には元本割れなどのリスクがあり、必ずしも利益を保証するものではありません。最終的な判断は、ご自身の責任にてお願いいたします。
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