ボーナスの手取りが少ないのはなぜ?税金・社会保険料と手取り額の計算方法

✍️ 学びログ

【手取りと年収のリアルを一緒に学ぶ】第3回

ボーナスの支給額を見て、

「50万円もらえると思ったのに、振込額が想像より少ない」

「毎月の給与より多く引かれている気がする」

と感じたことはないでしょうか。

私は完全月給制で、基本的にボーナスはありません。

そのため以前は、ボーナスから税金や社会保険料がどのように差し引かれるのか、詳しく理解していませんでした。

しかし調べてみると、ボーナスにも給与と同じように、

  • 健康保険料
  • 介護保険料
  • 子ども・子育て支援金
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料
  • 所得税

などがかかることが分かりました。

この記事では、ボーナスの手取りが少なく感じる理由と、額面50万円の場合にどの程度差し引かれるのかを、2026年8月時点の制度をもとに分かりやすく解説します。


結論|ボーナス50万円の手取りは約39万円になる場合がある

最初に結論から確認します。

今回のモデルケースでは、額面50万円のボーナスに対して、手取り額は約38万8,000円です。

項目概算金額
支給額(額面)500,000円
社会保険料等約77,500円
所得税約34,510円
控除合計約112,010円
手取り額約387,990円

ただし、ボーナスの手取り額は全員同じではありません。

加入している健康保険、年齢、前月の給与、扶養親族等の数、勤務先独自の控除などによって変わります。

そのため「ボーナス50万円なら必ず約39万円受け取れる」という意味ではなく、あくまで条件を決めた試算例としてご覧ください。


ボーナスの額面がそのまま振り込まれない理由

会社から通知されるボーナスの金額は、税金や社会保険料が差し引かれる前の「額面」です。

例えば、会社から「賞与50万円」と通知されても、50万円がそのまま銀行口座へ振り込まれるわけではありません。

ボーナスからは、主に次の項目が差し引かれます。

控除項目内容
健康保険料医療費や傷病手当金などに使われる保険料
介護保険料原則として40~64歳の人が負担
子ども・子育て支援金2026年度から始まった支援金制度
厚生年金保険料老齢年金や障害年金、遺族年金などの財源
雇用保険料失業給付や育児休業給付などの財源
所得税賞与用の源泉徴収方法で計算
会社独自の控除財形貯蓄、持株会、組合費など

社会保険料や所得税は、会社が従業員に代わって給与やボーナスから差し引いて納付します。

これが、額面と実際の振込額に差が生じる理由です。


ボーナスから差し引かれる社会保険料

健康保険料

健康保険料率は、加入している健康保険によって異なります。

協会けんぽの場合は都道府県支部ごとに保険料率が設定され、会社の健康保険組合に加入している場合は、その健康保険組合が定める料率が適用されます。

2026年度の協会けんぽ東京支部の健康保険料率は9.85%です。

ただし、9.85%を従業員がすべて負担するわけではありません。健康保険料は原則として会社と従業員が半分ずつ負担します。

従業員本人の負担率は、東京支部の例では約4.925%です。

ボーナス50万円の場合は、次のようになります。

500,000円 × 4.925% = 約24,625円

実際の金額は、加入先や端数処理によって多少異なります。

介護保険料

40歳から64歳までの人には、原則として介護保険料もかかります。

2026年度の協会けんぽにおける介護保険料率は1.62%で、こちらも会社と従業員が折半します。

従業員本人の負担率は0.81%です。

ボーナス50万円の場合は、

500,000円 × 0.81% = 約4,050円

となります。

40歳未満の人など、介護保険第2号被保険者に該当しない場合は、この介護保険料は差し引かれません。

子ども・子育て支援金

2026年度から、子ども・子育て支援金制度が始まりました。

2026年度の協会けんぽにおける支援金率は0.23%で、健康保険料などと同様に会社と従業員が折半します。

従業員本人の負担率は0.115%です。

ボーナス50万円の場合は、

500,000円 × 0.115% = 約575円

となります。

子どもがいる人だけが負担する制度ではなく、健康保険の加入者が広く負担する仕組みです。

厚生年金保険料

厚生年金保険料率は18.3%です。

この18.3%も従業員がすべて負担するわけではなく、会社と従業員が半分ずつ負担します。

従業員本人の負担率は9.15%です。

ボーナス50万円の場合は、

500,000円 × 9.15% = 約45,750円

となります。

ボーナスに対する健康保険料や厚生年金保険料は、税引前の賞与額から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」をもとに計算されます。

雇用保険料

雇用保険料は、ボーナスの支給額に雇用保険料率を掛けて計算します。

2026年度の一般事業における労働者負担は0.5%です。

ボーナス50万円の場合は、

500,000円 × 0.5% = 約2,500円

となります。

農林水産業や清酒製造業、建設業などでは、一般事業とは異なる保険料率が適用されます。


ボーナスの所得税はどう決まる?

ボーナスから差し引かれる所得税は、ボーナスの額面だけで決まるわけではありません。

原則として、次の情報を使って税率を確認します。

  • 前月の社会保険料等控除後の給与
  • 扶養親族等の数
  • 賞与から差し引かれる社会保険料等
  • 給与所得者の扶養控除等申告書を提出しているか

まず、前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額と、扶養親族等の数を国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめます。

そこで求めた税率を、社会保険料等を差し引いた後のボーナスに掛けて、源泉徴収する所得税を計算します。

つまり、単純に、

ボーナス50万円 × 所得税率

と計算するわけではありません。

また、ここで差し引かれる所得税は、年間の所得税額を確定する前の源泉徴収です。最終的には年末調整などで年間の所得税額が精算されます。


【2026年版】ボーナス50万円の手取りを試算

ここでは、次の条件で試算します。

  • ボーナスの額面:500,000円
  • 協会けんぽ東京支部
  • 年齢:40~64歳
  • 一般事業
  • 扶養親族等:0人
  • 前月の社会保険料等控除後給与:約338,000円
  • 会社独自の控除:なし
  • 2026年夏以降に支給される賞与を想定

社会保険料等の計算

控除項目本人負担率概算金額
健康保険料4.925%約24,625円
介護保険料0.81%約4,050円
子ども・子育て支援金0.115%約575円
厚生年金保険料9.15%約45,750円
雇用保険料0.5%約2,500円
合計約77,500円

所得税の計算

前月の社会保険料等控除後給与が約338,000円で、扶養親族等が0人の場合、2026年分の算出率表では8.168%の区分に該当します。

所得税を掛ける対象は、社会保険料等を差し引いた後の賞与です。

500,000円 − 77,500円 = 422,500円

422,500円 × 8.168% = 約34,510円

したがって、今回の条件における手取り額は次のとおりです。

500,000円 − 77,500円 − 34,510円
= 約387,990円

額面50万円に対して、手取りは約38万8,000円となりました。

実際には、加入している健康保険、年齢、扶養親族等の数、前月の給与、端数処理などによって金額が変わります。


住民税はボーナスから引かれる?

会社員の住民税は、通常、毎月の給与から一定額を差し引く「特別徴収」で納付します。

そのため、ボーナスの支給時に、ボーナス専用の住民税が別途計算されて差し引かれる仕組みではありません。

ただし、ボーナスも年間所得に含まれます。

ボーナスによって年間所得が増えれば、その所得をもとに計算される翌年度の住民税に影響する可能性があります。

「今回のボーナスから住民税が引かれていないから、住民税には関係ない」ということではありません。


同じ額面でも手取り額が変わる理由

同じ50万円のボーナスでも、手取り額は人によって異なります。

主な理由は次のとおりです。

  • 加入している健康保険の保険料率が違う
  • 40~64歳は介護保険料がかかる
  • 前月の給与額が違う
  • 扶養親族等の数が違う
  • 雇用保険の事業区分が違う
  • 財形貯蓄や持株会などの社内控除がある
  • 賞与額が前月給与と比べて非常に大きい

特に所得税は、前月の社会保険料等控除後給与と扶養親族等の数によって税率が変わります。

ボーナスの額面だけを見て、手取り額を一律に判断することはできません。

正確な金額は、実際の賞与明細で確認する必要があります。


ボーナスの手取りが少なく感じる理由

ボーナスの手取りが少なく感じるのは、税金や社会保険料の仕組みだけが理由ではありません。

心理的には、次のような要因もあります。

  • 額面金額への期待が大きい
  • 控除額が普段の給与より大きく見える
  • 年1~2回の特別な収入という印象がある
  • 使い道を先に考えてしまう
  • 「ボーナス50万円」という数字だけが記憶に残りやすい

例えば額面50万円でも、実際に自由に使える金額は40万円を下回ることがあります。

住宅ローンのボーナス払い、旅行、家電、投資などの予定を立てる場合は、額面ではなく手取り額を確認してから決めることが大切です。


完全月給制の私が知ってよかったこと

私は完全月給制で、基本的にボーナスはありません。

それでも今回、ボーナスの仕組みを調べたことで、額面年収だけでは実際に使えるお金を判断できないことを改めて実感しました。

毎月の給与でもボーナスでも、大切なのは額面だけではなく、

  • 実際の手取りはいくらか
  • 毎月安定して受け取れる収入はいくらか
  • 税金や社会保険料がどの程度かかるか
  • 一時的な収入を前提に家計を組んでいないか

を確認することです。

ボーナスがある場合も、すべてを使う前提にせず、

  • 生活防衛資金
  • 近いうちに必要になる支出
  • 家族で楽しむためのお金
  • 長期的な貯蓄や資産形成

など、目的ごとに分けて考えると家計を管理しやすくなります。


よくある質問

ボーナス50万円の手取りはいくらですか?

年齢、加入している健康保険、前月の給与、扶養親族等の数などによって異なります。

今回のモデルケースでは、額面50万円に対して手取りは約38万8,000円です。

ただし、全員が同じ金額になるわけではありません。

厚生年金保険料率18.3%がすべて引かれるのですか?

いいえ。

18.3%は会社負担と従業員負担を合わせた保険料率です。原則として労使折半となるため、従業員本人の負担率は9.15%です。

ボーナスにも介護保険料はかかりますか?

原則として40~64歳の介護保険第2号被保険者には、ボーナスにも介護保険料がかかります。

40歳未満など、対象外の人にはかかりません。

ボーナスの所得税は年収だけで決まりますか?

年収だけで一律に決まるわけではありません。

賞与の源泉徴収では、前月の社会保険料等控除後給与と扶養親族等の数などを使って税率を確認します。

最終的な年間の所得税額は、年末調整などで精算されます。

ボーナスから住民税が引かれないのはなぜですか?

会社員の住民税は通常、毎月の給与から一定額を差し引く特別徴収で納付します。

ボーナスから専用の住民税が別に計算される仕組みではありませんが、ボーナスは年間所得に含まれるため、翌年度の住民税に影響する可能性があります。


まとめ|ボーナスは額面ではなく手取りで考えよう

ボーナスの額面と振込額に差があるのは、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税などが差し引かれるためです。

今回のポイントをまとめます。

  • ボーナスにも社会保険料と所得税がかかる
  • 健康保険料と厚生年金保険料は原則として労使折半
  • 40~64歳は介護保険料もかかる
  • 2026年度から子ども・子育て支援金が始まった
  • 所得税率は前月の給与や扶養親族等の数によって変わる
  • 額面50万円の手取りは、今回の例では約38万8,000円
  • 正確な金額は賞与明細で確認する

ボーナスを家計や貯蓄の計画に組み込むときは、額面ではなく実際の手取り額を確認することが大切です。

まとまった収入だからこそ、使うお金、備えるお金、将来に回すお金を落ち着いて分けていきましょう。


参考にした公的情報


免責事項

本記事は、2026年8月時点で公表されている制度、保険料率および税額表をもとに、一般的な仕組みを解説したものです。

実際の社会保険料や税額は、加入している健康保険、勤務先、年齢、前月の給与、扶養状況、賞与額、端数処理などによって異なります。

正確な金額については、勤務先から発行される賞与明細、加入している健康保険の案内、税務署または税理士などにご確認ください。

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