「年収」「総支給」「手取り」って結局どう違うの?-給与明細と一緒に基本から学んでみた

✍️ 学びログ

手取りと年収のリアルを一緒に学ぶ【第1回】


🔰 導入|「手取り=月給」だと思っていたあの頃…

「求人票に“年収500万以上”って書いてたのに、実際に使えるお金はずっと少ない……」
「ボーナスの手取りが少なすぎて、正直ガッカリ……」

そんな疑問、ずっと持ったまま仕事していませんか?
私もそうでした。社会人歴20年を越えてようやく、ようやくです。

このシリーズでは、「年収」「総支給」「手取り」って結局どう違うのか? という基本の“き”から、自分の給与明細を使ってお金の流れを一緒に学び直していきます。


🧭 用語をおさらいしよう|似てるようで違う3つの言葉

用語簡単にいうと…説明
年収1年間にもらう「額面金額」給与+ボーナスの合計。源泉徴収票で確認。
総支給1か月にもらう「額面合計」基本給・残業代・各種手当など含む総額。給与明細に記載。
手取り実際に受け取るお金総支給から税金・社会保険などを引いた額。口座に振り込まれる金額。

🧾 給与明細を見てみよう|月給40万円モデル

📌 モデル:月給40万円(残業代含む)+ボーナス年2回、40代・独身・扶養なし

【例:ある月の給与明細】

項目金額
基本給370,000円
残業代30,000円
支給合計(=総支給)400,000円
健康保険▲18,000円
厚生年金▲34,000円
雇用保険▲1,200円
所得税▲8,500円
住民税▲12,000円
控除合計▲73,700円
差引支給額(=手取り)326,300円

💡 手取りは「総支給の約80〜82%」程度が目安。
実際に使えるお金は、月給40万円でも32〜33万円程度になります。


📘 年収はどこでわかるの?

年収は、月給や給与明細には書かれていません。
年末にもらう「源泉徴収票」の「支払金額」欄が、その年の“年収”額面です。

▶ 例:年収の計算式(ざっくり)

  • 月給:40万円 × 12ヶ月 = 480万円
  • ボーナス:夏冬で計80万円
  • ⇒ 年収(額面)= 560万円

ここから税金や社会保険を引かれるため、実際の手取り年収は約430〜450万円になります。


🤔「総支給」って基本給のことじゃないの?

違います。総支給は、基本給だけではありません。

✅ 含まれるもの:

  • 基本給
  • 残業代
  • 通勤手当
  • 家族手当
  • 役職手当 など

✅ 含まれないもの:

  • 会社が負担する保険料(見えない控除)
  • 福利厚生費など

「残業が減った」「手当が増えた」で総支給は毎月変動する額です。


🧠 手取りとは「生きたお金」

あなたが**実際に使えるのが「手取り」**です。
その手取りを減らしているのが、以下の控除項目です:

控除項目説明
所得税所得に応じて納税(累進課税)
住民税前年の年収に応じて課税
健康保険医療費3割負担を支える制度
厚生年金将来の年金・遺族年金などを含む
雇用保険失業・育児・介護休業中の保障制度

✅ 控除だけで毎月7万〜9万円引かれるのが一般的です。
これを知っているかどうかで、お金への納得感が変わります。


❓ よくある誤解・勘違いあるある

❌「年収560万だから、月に40万使えるんだよね」

→ 実際は月の手取りは約32万円前後です

❌「会社がたくさん引いてるのが悪い」

→ 実は会社もあなたと同額以上の保険料・年金を負担しています
→ 見えない部分も含めて守られているということ

❌「手取りが減るのは残業のせい?」

→ それだけでなく、税率や保険料の“等級”が変わる場合もあります


✍️ 自分の明細をチェックしてみよう

今月の給与明細を開いて、以下のポイントを見てみましょう:

  1. 総支給額(支給合計)
  2. 控除合計(何にどれだけ引かれているか)
  3. 差引支給額(=手取り)
  4. 昨年の源泉徴収票で「年収」もチェック!

💡 明細がわかると「どこにいくら使えるか」がリアルに見えてきます


✅ まとめ|“額面”に振り回されず、“使えるお金”を知ろう

「年収」は見かけの数字、
「手取り」こそが生活を支える“実際に使えるお金”です。

✔ 転職活動
✔ 家計の見直し
✔ 副業の収入計画
どれも、手取りのリアルを知らなければ始まりません。


📝 免責事項

本記事は一般的な制度やモデル例に基づいて作成しています。
実際の金額・控除内容は勤務先や個人条件により異なります。
給与明細や源泉徴収票、または会社の人事・税務担当へご確認ください。


🔗 次回予告|第2回はこちら

👉 [年収500万円の人は、実際いくら使えるのか?|手取り早見表で確認してみた](※後日公開予定)

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