年末調整と源泉徴収票を見てみよう|1年間の手取りの“引かれ方”を一緒に確認しよう!

✍️ 学びログ

手取りと年収のリアルを一緒に学ぶ【第9回】


✅ はじめに|1年の締めくくり、「年末調整」って何してる?

毎月の給与明細にある「天引き」たち。
健康保険や年金、税金が自動で引かれて、手元に残るのが「手取り」ですよね。

でも、年末になると「年末調整」というイベントがやってきます。
これは、1年間で“引きすぎていた税金”や“足りなかった税金”を調整する手続きです。

そしてその結果が反映された書類が「源泉徴収票」。

この記事では、
「年収・総支給・手取り」の関係を**“1年のまとめ”という視点**から、源泉徴収票と一緒に見ていきます。


📄 源泉徴収票ってなに?どこを見ればいいの?

年末調整後にもらう源泉徴収票には、こんな情報が載っています。

項目内容
支払金額いわゆる「年収」。1年間の総支給額
所得控除の額の合計額扶養や社会保険料、生命保険、住宅ローン控除など
所得金額年収から控除を引いた金額(課税の対象)
源泉徴収税額1年で引かれた所得税の合計
控除対象配偶者・扶養親族など扶養の有無で変動

🔍 これらの項目を通して、「あなたの収入」「どれくらい控除されたか」「いくら納税したか」が見えるようになります。


💡 所得控除って何が含まれてるの?

所得控除は大きく分けて以下のようなものがあります:

  • 社会保険料控除(健康保険、厚生年金など)
  • 基礎控除(全員に自動適用)
  • 配偶者控除・扶養控除
  • 生命保険料控除・地震保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除(iDeCoなど)
  • 住宅ローン控除(後述)
  • 寄付金控除(ふるさと納税など)

これらをまとめて「控除の合計額」として反映されます。


🏠 住宅ローン控除ってどう反映されるの?

住宅ローン控除(正式には「住宅借入金等特別控除」)は、住宅ローンの年末残高に応じて、所得税から直接差し引かれる仕組みです。

✅ たとえば…

  • 年末のローン残高:2,000万円
  • 控除率:0.7%(※2024年度基準)
    → 所得税から最大14万円が控除!

源泉徴収票では、「摘要」欄に控除額が反映されることもありますが、詳細は年末調整提出書類に記載されることが多いです。

もし控除しきれなかった所得税がある場合は、翌年の住民税から差し引かれる場合もあります。


🧮 ふるさと納税や保険料控除もここで効いてくる!

ふるさと納税も、年末調整で「ワンストップ特例制度」を使えば、源泉徴収票の控除額に反映されます。
※確定申告する場合は別途処理が必要です。


🧑‍🏫 所得税の「過不足調整」とは?

毎月の給与から仮で引かれていた所得税が、最終的に合っていたか?多かったか?足りなかったか? を調整するのが年末調整。

  • 多く引かれていた → 還付(返ってくる)
  • 足りなかった → 追徴(追加で支払う)

ここで最終的な“手取り”が確定します。


📝 モデルケースで見てみよう

モデル:年収600万円・会社員(配偶者・子2人)

内容金額
年収(支払金額)6,000,000円
控除合計(社会保険・扶養等)約2,400,000円
所得金額(課税対象)約3,600,000円
所得税(年)約70,000円
手取り年間合計約5,180,000円

※住宅ローン控除やふるさと納税適用時は、さらに手取りが増加。


💭 よくある誤解とQ&A

Q. 源泉徴収票の「支払金額」って、手取り?
→ ❌違います。これは「総支給額」、つまり年収ベースです。

Q. 控除って全部税金の話?
→ ❌社会保険料も含まれます。税と保険は性質が違います(第8回参照)。

Q. 住宅ローン控除は確定申告しないとダメ?
→ 初年度は確定申告が必要。2年目以降は年末調整でOKです。


📌 まとめ

  • 源泉徴収票は「1年の給与と税の総まとめ」
  • 年末調整で“引きすぎ・足りなさ”が調整される
  • 所得控除には社会保険、扶養、保険料、住宅ローンなど多彩な項目
  • 住宅ローン控除やふるさと納税は「控除の主役」になることも!

自分の源泉徴収票を開いて、**“お金の流れの答え合わせ”**をしてみましょう。


⚠️ 免責事項

  • 本記事は一般的な税制・制度に基づいて執筆しています(2025年7月時点)。
  • 内容はあくまで一例であり、正確な税務判断は税理士・専門機関にご相談ください。
  • 控除額や課税対象は所得・家族構成・勤務先等によって大きく異なります。

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