手取りと年収のリアルを一緒に学ぶシリーズ【第2回】
「年収500万円」── 聞こえはよくても、実際の“使えるお金”はどれくらいなのでしょうか?
この記事では、次のような疑問に答えていきます。
- 年収と手取りって何が違うの?
- 毎月の手取りはどれくらい?
- 独身と共働き子育て家庭では、生活費はどう違う?
リアルなモデルケースを使って、実生活に即したお金の感覚を一緒に育てていきましょう。
📌 まずは整理|「年収=自由に使えるお金」ではない!
「年収500万円あれば、毎月40万円以上使えるのでは?」と思った方もいるかもしれません。
でも現実には、給与明細から税金や保険料などが差し引かれた「手取り」で暮らしをやりくりしています。
まずは、その“引かれるお金=控除”の内訳を見てみましょう。
🧾 給与から引かれる「控除」ってなに?
給与明細を見ると、さまざまな名目でお金が引かれています。
代表的な控除4項目はこちら:
🩺 健康保険料
医療費の自己負担を軽減(3割負担)するための社会保険料。扶養家族もカバー可能です。
🧓 厚生年金保険料
将来受け取る年金(老齢・障害・遺族)の原資。会社員は自動的に加入し、保険料は労使折半。
🏛️ 所得税
収入から控除を差し引いた「課税所得」に応じて国に納める税金。源泉徴収→年末調整で精算。
🏙️ 住民税
前年の所得に基づき、翌年6月から毎月納める地方税。目安は「所得の約10%」。
💡つまり「年収=自由に使えるお金」ではなく、「手取り」が暮らしのベースになるということ!
📘 モデルケース①|独身・扶養なし(40歳/年収500万円)
年収500万円(額面) → 手取りはどれくらい?
項目 | 金額(目安) |
---|---|
健康保険 | 約10万円 |
厚生年金 | 約33万円 |
雇用保険 | 約1.7万円 |
所得税 | 約11万円 |
住民税 | 約20万円 |
控除合計 | 約75.7万円 |
手取り | 約424万円/年(月平均:約35.3万円) |
🏠 家計モデル①:独身・扶養なしの支出イメージ
項目 | 金額(円) |
---|---|
家賃 | 70,000 |
食費 | 30,000 |
通信費 | 10,000 |
光熱費 | 12,000 |
保険・積立 | 20,000 |
趣味・交際費 | 30,000 |
投資(つみたてNISA) | 20,000 |
雑費・交通費 | 10,000 |
合計 | 202,000 |
✅ 独身モデルでは、手取りの範囲内で「貯金+つみたて投資」も十分可能です。
👨👩👧👦 モデルケース②|共働き+子ども2人
次は、**共働き+子育て世帯(夫:500万/妻:400万)**のモデルを見てみましょう。
💵 世帯収入と手取りの目安
項目 | 金額(目安) |
---|---|
夫の手取り | 約380万円 |
妻の手取り | 約310万円 |
合計 | 約690万円/年(月平均:約57.5万円) |
🏠 家計モデル②:子育て家庭の支出イメージ
項目 | 金額(円) |
---|---|
住宅ローン/家賃 | 100,000 |
食費 | 60,000 |
通信費 | 15,000 |
光熱費 | 18,000 |
保険・積立 | 30,000 |
保育料/給食費 | 20,000 |
教育費(習い事など) | 25,000 |
日用品・衣類 | 15,000 |
投資(つみたてNISA) | 30,000 |
レジャー・交際費 | 30,000 |
合計 | 343,000 |
💬 子どもがいる分、教育・住居費がかさむ一方、共働きなら投資や貯蓄の余力も確保しやすくなります。
📊 年収別・手取り早見表(独身モデル)
年収 | 控除率目安 | 手取り年収 | 月平均手取り |
---|---|---|---|
400万 | 約22% | 約312万円 | 約26万円 |
450万 | 約23% | 約346万円 | 約29万円 |
500万 | 約24% | 約380万円 | 約32万円 |
550万 | 約25% | 約412万円 | 約34万円 |
600万 | 約26% | 約444万円 | 約37万円 |
※控除率や支出は地域・扶養状況・勤務先などで個人差があります。
📚 情報の算出根拠
項目 | 基準・資料 |
---|---|
健康保険料 | 協会けんぽ(東京都)2025年料率参照 |
厚生年金 | 労使折半で計算(18.3%→9.15%) |
所得税 | 国税庁「速算表」+各種控除を適用 |
住民税 | 全国平均10%基準で計算 |
シミュレーター参考 | doda、MoneyForward など複数活用 |
✍️ まとめ
- 年収500万円でも、手取りは約380万円前後
- 独身モデルは投資・貯金しやすいが、家庭持ちは支出が増加
- 「控除」の内容を知ることで、給料の仕組みが理解しやすくなる
- 節税や非課税制度(つみたてNISA・iDeCo)も活用を意識しよう
📝 免責事項
本記事はモデルケースに基づいた試算であり、実際の手取りや支出額は居住地・扶養・勤務先の制度などにより異なります。あくまで参考情報としてご利用ください。
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